台風12号の傷跡2
・2011年9月23日(金)晴れ
・紀伊半島(中辺路,熊野川町)
・508 km
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今回の一枚 南から見た三和大橋 |
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今回のルートマップ
2011/9/23 に災害後の紀伊半島を再び走った。
今回も目的地は和歌山県新宮市熊野川町付近だったのだが,
前回東から入り東に抜けたので,今回は西から入る道を走ってみた。
できればボランティアをしたいと考えたが,事前に準備する必要のあるものが多く,
また行き来にかかる時間と労力が足りずに今回も諦めてしまった。
ちなみにボランティアをするには最低限次の準備が必要である。
(1) 居住地の社会福祉協議会でボランティア用の保険に入ること。
(2) 多くの場合はボランティアをする1日~2日前に連絡をして登録しておくこと。
(3) ボランティア用の装備一式を用意しておく。
以上の事が必要である。
ちなみにボランティア用の装備とは,丈の長く底の分厚い長靴,汚れてもよい長袖と長ズボン,
手袋,ヘルメット,マスク,ゴーグル,ウェストポーチなどである。
他にも飲料水,食料,宿泊する際には寝袋など,基本的に生活する装備一式を自前で準備しないといけない。
これら一式を持って行くとなるとバイクではちょっとしんどい。
なので車が使えないといけないし,保険に入ってないし,事前に連絡してないし…
でも何かできないか,と思ったら,やっぱり走りに行って現状を報告するしかない,と思った。
ただし前回と同じルートではいまいちなので,西からのルートを探ってみることにした。
西からのルートに関しては,和歌山県の道路情報を参考にした。
いつも見ている和歌山県道路規制情報以外にも,
今回の災害後の本宮へ行けるルートの説明のサイトがあったので,それを参考にして行ってみた。
大まかには,国道42号線は全線に渡って通行可能である。ただし,一部区間は交互通行になっていたりする。
内陸部の道は国道も県道も通行止め区間が多いため注意を要する。
走れるルートとしては有田インターから国道424号線で龍神村に向かうルート,
龍神村から中辺路に抜ける県道198号線と水上栃谷トンネル,
中辺路から本宮にかけての国道311号線,である。
また御坊や川辺インターから国道424号線に向かう県道26号線も通行可能である。
ただし,多くの道ではがけ崩れが多数発生しているため,
いくつも交互通行区間が存在していたので通常よりも多くの時間がかかる。
また本宮付近の国道168号線は通行可能であるが,北は十津川温泉手前の果無付近,
南は宮井大橋までが通行可能であり,その他の区間は注意が必要である。
南は実際には道の駅・瀞峡街道熊野川があった場所までは注意しながら走行できるが,
それより南は工事関係の車両しか走れない。
また,北に向かった奈良県内の情報はちゃんとは得られていないが,
未だまともに走れる状態にはないようである。
(つづく…)
今回は阪和道の有田インターから国道424号線と県道198号線の水上栃谷トンネル,
国道311号線を使って本宮を目指した。
どこでガソリンを入れれるかがわからなかったので,
有田インターを下りてからガソリンスタンドを探した。
意外とインターチェンジのそばにはなく,しばらく県道を東に走って国道424号線に入った辺りにあった。
国道424号線は修理川バイパスが崩落の危険があるとのことで通行止となっていた。
そのため旧道が迂回路になっていたが,
迂回路は1.5車線あったのでいうほど苦労せずに走ることができた。
その先のR424は何箇所も交互通行の区間があった。
多くは距離が短く,待ち時間が最大3分程度だった。
交通量も少なかったので,今回は交互通行による大きな時間ロスはなかった。
また,道の駅・しらまの里や道の駅・瀞游は通常営業していた。
県道198号線も交互通行区間があったが,基本的には快適に走れた。
水上栃谷トンネルができて龍神村から中辺路までの交通が画期的に良くなったが,
今回もあの道が重要な動脈になっている。
中辺路から国道311号線を走ったのだが,国道311号線自体は中辺路から白浜に向かう区間で通行止がある。
具体的には滝尻王子のある国道371号線との分岐の南で斜面が大きく崩落していた。
そのため滝尻王子には行けるが,その先白浜には行けない,という状況だった。
また国道371号線も滝尻王子から東に行く区間で通行止となっているので,
平瀬方面に国道371号線で行くことはできない。
中辺路から白浜方面に行くには,川辺インター付近まで戻るか,
近露から県道217号線で平瀬に抜け,県道219号線で鮎川に抜け,国道311号線で上富田に向かうルートしかないみたいである。
中辺路から本宮にかけての国道311号線は,基本的に走りやすかったが,
何箇所も交互通行区間があり,一部ダート状の部分もあった。
それでも大型車が走れるルートが確保されているので,大変重要なルートとなっていた。
本宮や熊野川町から東への国道169号線と国道311号線のルートは,
途中で長い区間交互通行となっているため,西側のルートが大変重要となっている。
国道311号線に沿った場所は,がけ崩れや川の護岸の崩落等が見られたが,
それ以外はあまりひどい被害は無いように見えた。
ただし,見えただけなので,実際にどうかはよくわからなかった。
少なくとも近露のガソリンスタンドやAコープ(スーパー)は通常営業していたので,
食料品やガソリンスタンドを手に入れることができる重要な拠点と考えられる。
川湯付近(本宮付近)で国道168号線に入って本宮を目指した。
国道168号線は本宮の北にある土河屋から南は熊野川町日足付近まではかなり快適に走れた。
2週間前に来た時には国道168号線は埃まみれ泥まみれだったが,今回はかなり路面がきれいになっていた。
そのため物流は大きく改善していると思われる。
特に,配送拠点が大きく損傷しているはずのクロネコヤマトのトラックを何度も見かけた。
多分別の配送センターを使って荷物を配送しているみたいだった。偉いっ!
本宮の街の中も国道168号線沿いは見た目きれいになっていた。
しかし,国道沿いの家々ではまだ片付けをされていたので,
各建物の中の整理はまだまだこれからのようであった。
その後,北に向かい,道の駅・奥熊野古道ほんぐうの北まで行ってみた。
道は数箇所の交互通行を除いては走りやすかった。
道の駅・奥熊野古道ほんぐうは短縮営業だったが,営業しているだけでなんとなく元気を感じた。
また,当然ながら観光客はほとんど見受けられなかった。
さすがに本宮大社にも人がほとんどいなかった。
そのため,逆に厳かな感じがした。
折角だから,多少なりとも足しになると思って,久しぶりに本宮大社にお参りして,お守りを買ってきた。
本宮からは南に走り,道の駅・瀞峡街道熊野川のあった場所を目指した。
途中熊野川町志古や日足を走ったが,ドライブイン志古は建物の中にあったがれきがかなり片付けられていた。
また,電柱と壁に挟まれていた軽トラックも下ろされていた。
日足付近も道端に積んであったがれきもかなり撤去され,道の泥もどけられてかなり改善されていた。
しかし,神丸交差点の信号はまだ点灯していなかったので,停電状況はまだ一部残っているようだった。
また,神丸交差点から南の国道168号線の整備はまだ不十分な感じだった。
神丸交差点から南は道の駅・瀞峡街道熊野川の跡地までしか行けなかった。
その先は一応通行可能となっているが,工事関係の車両しか通れないということだった。
さすがにその先を見てみたい,とは言えずに今回は引き返した。
帰りは宮井大橋から国道169号線・国道311号線を使うルートではなく,
三和大橋から三重県道780号線と林道を使って湯ノ口温泉から紀和町に向かってみた。
三和大橋は路面にあった木々はなくなっていたが,橋の欄干は一部壊れ,橋脚も傷んでいたらしく,
2t を越える車の通行は禁止になっていた。
その先の県道780号線は,熊野川に近い辺りは路面や路肩に泥や埃が多くあったが,
上流に行くに従ってきれいになった。
その後,布引の滝への分岐を過ぎると山に入るが,途中がけ崩れのために通行止となっていた。
その区間は林道で湯ノ口温泉そばを経由して瀞大橋に向かう。
湯ノ口温泉のそばを通ると湯気が見えた。
2週間前に来た時には湯ノ口温泉は停電のために休業していたので,ついつい寄ってしまった。
話を聞くと通常営業しているということだったので,折角なので温泉に入ってみた。
ここも本宮大社と同じく久々の訪問だった。
湯ノ口温泉で暖まった後はひたすら帰るだけだった。
帰りのルートは丸山千枚田前を通り,三重県道40号線で北山村に抜けてから不動トンネル,
国道169号線で北に向かうことにした。
当日は快晴だったので,丸山千枚田はとても綺麗に見えた。
県道40号線の路肩崩落箇所はそのままの感じだった。
一番ひどい場所は崩落の大きさは同じ程度だったが,沢からの水量が増えた感じがした。
当日は快晴だったのに未だにいっぱい水が流れていたのは,それだけ山が水を含んでいるということみたいだった。
北山村ではおくとろ温泉がどうなっているかが気になったので,おくとろ温泉に行ってみた。
おくとろ温泉横のレストランと売店は営業していたが,
おくとろ温泉自体は源泉ポンプが故障中で温泉の営業はしていなかった。
それでも施設自体は大丈夫だったので,比較的復旧は早いと期待している。
北山村からは不動トンネルを抜け,国道169号線を北上した。
国道169号線は川上村の迂回区間までは快適だった。
池原ダム湖横にあった交互通行区間も規制が解除されていた。
迂回区間では対向が来るまで15分ほど待たされたが,完全に止まっていたのでよい休憩になった。
その後吉野にある柿の葉寿司と鮎料理のお店,平宗本店に寄って柿の葉寿司を買って帰った。
今回も結局は走っただけだったが,それでも現地の状況がわかったので,少し安心できた。
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(下記の小さめの写真をクリックすると,大きめの写真が見れます。
大きめの写真自体をクリックするとオリジナルの写真が見れます) |
(撮影日 2011/09/23) 国道424号線を走る
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(撮影日 2011/09/23) 有田川の様子。未だに水が茶色く濁ってる
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(撮影日 2011/09/23) 洪水で水がきた高さまで木が枯れてる
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(撮影日 2011/09/23) 国道424号線修理川バイパスは崩落危険で迂回路へ
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(撮影日 2011/09/23) R424の迂回路は旧道を利用している
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(撮影日 2011/09/23) 通行止東端。迂回路は1.5車線で走りやすい
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅しらまの里は通常営業状態だった
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(撮影日 2011/09/23) 日高川沿いもかなりの被害だったみたい
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(撮影日 2011/09/23) 美山大橋付近は路面まで冠水したみたい
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(撮影日 2011/09/23) あの辺りにR424の交互通行用信号がある
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(撮影日 2011/09/23) 河川敷はぐちゃぐちゃ
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(撮影日 2011/09/23) 護岸はどこにいった?
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(撮影日 2011/09/23) 交互通行部分はダート
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(撮影日 2011/09/23) 左前方も法面崩落のために交互通行だった
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(撮影日 2011/09/23) 川岸はどこもこんな感じ。流量多いなぁ
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(撮影日 2011/09/23) パッと見はよくわからず
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(撮影日 2011/09/23) そこら中で交互通行
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(撮影日 2011/09/23) 川底は泥が溜まった跡が乾いて割れてる
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(撮影日 2011/09/23) R424はダートで仮補修した箇所も多数あった
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(撮影日 2011/09/23) 河原の木々は枯れる?どうなるのかなぁ?
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(撮影日 2011/09/23) 貯水用のちびダムのゲートは全て開いてた
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(撮影日 2011/09/23) 水上栃谷トンネル北側にあるR311の情報
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(撮影日 2011/09/23) 林道なので時間制限してたけど今は崩落危険で通行止
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(撮影日 2011/09/23) 県道198号線でも交互通行
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(撮影日 2011/09/23) 滝尻王子すぐ南の国道311号線の崩落現場
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(撮影日 2011/09/23) 工事車両は行き来できそうだけど,一般車両はまだ
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(撮影日 2011/09/23) 県道198号線との分岐はこんな感じで通行止を強調
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(撮影日 2011/09/23) 中辺路は普通っぽいけど交通量が驚くほど少なかった
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(撮影日 2011/09/23) R311も交互通行が何箇所もあった。ここはダート
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(撮影日 2011/09/23) 対岸の集落への道が…
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(撮影日 2011/09/23) 崩れてるのは多分国道311号線の旧道だと思う
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(撮影日 2011/09/23) 路面下に埋設してあったパイプがぶら下がってる
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅熊野古道中辺路は見た感じ普通だった
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(撮影日 2011/09/23) ちゃんと営業してた
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(撮影日 2011/09/23) 近露付近は普通っぽかったけど,やはり人気が少ない
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(撮影日 2011/09/23) 近露はガソリンスタンドも開いてた
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(撮影日 2011/09/23) この交互通行は長かった。終わり辺りで路肩弱い
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(撮影日 2011/09/23) 橋の対岸はゴミ捨て場
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(撮影日 2011/09/23) 本宮の大斎場(おおゆのはら)が見えてきた
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(撮影日 2011/09/23) 本宮のガソリンスタンドも営業していた
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(撮影日 2011/09/23) 見た感じはきれいに片付けされていた
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(撮影日 2011/09/23) まだ家の中とかは整理をしている感じだった
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(撮影日 2011/09/23) 下向橋橋脚は半分茶色
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(撮影日 2011/09/23) 土河屋付近の熊野川
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(撮影日 2011/09/23) 工事中のR168バイパス
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅奥熊野古道ほんぐうはあいとるでぇ
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(撮影日 2011/09/23) 芝生は半分泥まみれ
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅から見た熊野川
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(撮影日 2011/09/23) 泥も子供には遊び場
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅前の信号は点滅
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(撮影日 2011/09/23) 熊野本宮大社の参道
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(撮影日 2011/09/23) 参拝客ほとんどおらず
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(撮影日 2011/09/23) 昼間に人がいないと逆にすごく神秘的な感じがした
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(撮影日 2011/09/23) 明治22年の大水害以前は本宮大社は大斎場にあった
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(撮影日 2011/09/23) 本殿の一部は修理中
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(撮影日 2011/09/23) この四殿だけが明治の大水害で残ったらしい
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(撮影日 2011/09/23) 人がいない参道を上から見てみた
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(撮影日 2011/09/23) 大津荷付近の熊野川
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(撮影日 2011/09/23) 十津川第二発電所付近のロックシェッドそば
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(撮影日 2011/09/23) 発電所付近の河原が見えないほどの水量がある
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(撮影日 2011/09/23) ロックシェッド横のネットはすごい高さに草が…
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(撮影日 2011/09/23) 川のそばは枯れかけ
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(撮影日 2011/09/23) 向こうに見える合流点の川の色が違うなぁ
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(撮影日 2011/09/23) 左からの茶色が熊野川で向こうからが北山川
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(撮影日 2011/09/23) 下流側から見た宮井大橋
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(撮影日 2011/09/23) クロネコヤマトの基地
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(撮影日 2011/09/23) ボコボコだけど既に宅急便の配達は復活してる
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(撮影日 2011/09/23) かなり片付いている
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(撮影日 2011/09/23) 三和大橋を見る。道沿いには建物の基礎だけが…
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(撮影日 2011/09/23) 熊野川町の先に作ってるトンネルの入口
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(撮影日 2011/09/23) 日足から南はまだまだ整備されてない
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(撮影日 2011/09/23) 下流側から見た三和大橋と熊野川
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(撮影日 2011/09/23) 下流から見た熊野川にかかる三和大橋
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(撮影日 2011/09/23) 下流から見た三和大橋
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅瀞峡街道熊野川があった場所
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅の建物も国道沿いの木々もなくなった
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(撮影日 2011/09/23) この辺りには駐車場スペースがあった
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(撮影日 2011/09/23) はなじろ茶屋も消えた
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅付近の対岸の崖も崩れている
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(撮影日 2011/09/23) 道の駅のそばにあったお宅もやられてる
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(撮影日 2011/09/23) 三和大橋はきれいだが 2t 以上は通行止
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(撮影日 2011/09/23) 三和大橋から見た熊野川の上流方向
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(撮影日 2011/09/23) 湯ノ口温泉は通常営業してたが,すいてた
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(撮影日 2011/09/23) トロッコ列車のトンネルの向こうは瀞流荘
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(撮影日 2011/09/23) トロッコ列車の客車
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(撮影日 2011/09/23) 空の青と千枚田の緑がきれいだった
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(撮影日 2011/09/23) 災害の後に見るとなんとなく物悲しい
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(撮影日 2011/09/23) 三重県道40号線の仮復旧現場。路肩凹んでる
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(撮影日 2011/09/23) r40が崩れてる場所。崩落の大きさは同じ
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(撮影日 2011/09/23) 崩れた沢には岩が…
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(撮影日 2011/09/23) かなりの水量だった
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(撮影日 2011/09/23) 崩れたアスファルト
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(撮影日 2011/09/23) 泥でバイクには危険
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(撮影日 2011/09/23) おくとろ温泉は源泉ポンプ故障で休業中
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(撮影日 2011/09/23) レストランや売店は営業中だったけど人が…
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(撮影日 2011/09/23) 国道169号線川上村付近の迂回路の白屋橋
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(撮影日 2011/09/23) 迂回路は交互通行で,対向車を待つ車列
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