以下にコースの説明をしましょう。 (以下の記載は,その1~その3に共通です)
1. 須磨浦公園〜高倉台:
須磨浦公園駅前を出発して,公園内の道を鉢伏山に向かって登ります。
公園にはトイレがあるので,必要ならトイレに行っておきましょう。
公園内なので多少暗くてもなんとかなりますが,真っ暗な時はライトを使いましょう。
高度があがると見晴らしがよくなり,明石海峡大橋から淡路島,あるいは神戸の市街地がよく見えます。
鉢伏山山頂は全山縦走のコースではないので,無理して山頂に行かなくてもいいでしょう。
鉢伏山に寄っても大したことはありませんが…。
鉢伏山の次は旗振山です。ここは山頂付近の茶屋の前を通ります。
その後,鉄拐山のそばを通りますが,元気があれば山頂に行ってみましょう。山頂に行かなくてもコースとしてはよしとしてあります。
その後,おらが茶屋を経由して高倉台に降りていきます。
おらが茶屋にはトイレがあります。次のトイレは高取山の上までないので,必要ならトイレに行っておきましょう。
神戸市主催の六甲全山縦走大会の際には,おらが茶屋の少し手前から左下へ下る傾斜路を進むように促されます。
2. 高倉台〜妙法寺:
高倉台の中を歩いた後は342段(私調べ)の階段を上り,さらに少し登ると栂尾山に登ります。
そこから少し歩き,最後に一登りすると横尾山にたどり着きます。
横尾山から先は,花崗岩が風化してできた須磨アルプスを通ります。
ザレた下りや奥行きのない下り階段,さらによじ登る箇所や幅の狭い馬の背があります。
左右は崖だったりするので,落ちないように慎重に行きましょう。
その先にも2回ほど登りがあってから東山山頂を通過します。
その後,急激に下った後で横尾団地に下り,しばし歩いて阪神高速を越えて地下鉄をくぐると妙法寺にたどり着きます。
3. 妙法寺〜高取山:
妙法寺の先で道を渡り,妙法寺小学校横を上がっていきます。
途中で右手の住宅街へ入り,少し行って左折してあぜ道のような道を登っていくと公園に着きます。
そこから山道に入って,裏から高取山に登ります。
まあまあの斜度のつづら折りが続くので,ここで体力を消耗しないように気をつけましょう。
高度は言うほどないので,気づいたら山頂近くの荒熊神社下に着きます。
そこからは横に移動して高取神社の横を通り,途中から参道を下って行きます。
月見茶屋を過ぎてさらに下り,安井茶屋の先のトイレのある公園から縦走路は左下に向かいます。
この公園で小休止してもいいかもしれません。
ここのトイレは貴重なので,是非トイレに行っておきましょう。
4. 高取山〜神鉄鵯越駅:
高取山を北東方向へ下ると,丸山の市街地にでます。そこから住宅地の中を右へ左へと進み,最終的に神鉄鵯越駅まで登っていきます。
途中,高いところに神戸電鉄が見えますが,見える地点よりも鵯越駅はさらに高い所にあるので,まだかなり登らないといけないことがわかります。
落ち込まないように頑張りましょう。
5. 神鉄鵯越駅〜菊水山:
鵯越駅からは少々アップダウンがありますが,全般的には横に移動する感じで菊水山のふもとを目指します。
登山道と車道を歩き,神戸市水道局の鈴蘭台処理場を迂回すると神鉄の旧菊水山駅そばにたどり着きます。
鈴蘭台処理場では少し敷地の奥に入りますがトイレを借りることができます。
そこから神鉄に沿って進み,石井ダムの近くを過ぎると登り始め,神鉄のトンネルの上にでます。
その先に休憩所があり,そこからがいよいよ菊水山への急な登りです。
ここは急な上り階段や岩場で一気に高度差 230 m を登って菊水山山頂まで行く箇所で,全山縦走の最初の山場です。
ここで疲れ過ぎないように,でも遅くなり過ぎないようにうまく歩く必要があります。
いくつかの樹脂の階段を登り,樹脂階段の踊り場にくると視界が開け,それまで歩いてきた高取山や須磨の山々,あるいは神戸の市街地がよく見えます。
そこからもう少し頑張ればやがて菊水山山頂の電波中継施設のアンテナが見えて山頂に到着です。
6. 菊水山〜鍋蓋山:
菊水山を出ると徐々に下り始めて,有馬街道にかかる天王吊橋までどんどん下っていきます。
途中,急な岩場の下りなどがあり,菊水山に登った際に疲れた足にこたえます。
やがて貯水池のそばに出ると,すぐに天王吊橋にたどり着きます。
この区間で高度にして 200 m ほど下ります。
天王吊橋から先は再び高度を上げて鍋蓋山に向かいます。
菊水山よりも傾斜は緩いのですが,菊水山の上り下りで疲れた足には鍋蓋山への登り返しは厳しく感じます。
特に中盤にある岩場をよじ登る感じの場所付近では,六甲山は侮れないと感じると思います。
白っぽい(茶色くない)送電線の鉄塔の下を歩き,何度か緩めの上りをすぎると,もうひと踏ん張りで鍋蓋山の山頂に到着です。
白っぽい鉄塔から山頂山では意外と距離があるので,手前の疑似ピークを山頂と思わないように気をつけましょう。
天王吊橋から鍋蓋山頂までは高度差 230 m です。
7. 鍋蓋山〜市ヶ原:
鍋蓋山山頂からも神戸の町並みがよく見えます。
そこから比較的緩やかな登山道を下ったり,少し上ったりしていると再度公園への分岐点にでます。
その先の林道っぽい道を下ると大龍寺下の駐車スペースに出ます。
そこには飲み物の自動販売機があるので(一時ない時もあった),飲み物を補給してもいいでしょう。
その先の市ヶ原にも自動販売機があるので,売り切れの際は少し我慢すればたいていは大丈夫です(神戸市主催の六甲全山縦走大会などの日で暑い時は,どちらでも売り切れということがあります)。
自動販売機のある広場からコンクリート舗装路を下り,大龍寺の山門を通過します。
そこで再度山ドライブウェイを渡り,アスファルト舗装の道をしばし下ります。山道の下りとは違うアスファルト道の下りで,足が疲れる場合もあるかもしれません。
やがてアスファルト舗装の道が途切れ,登山道になったと思ったらすぐに市ヶ原の川原に出ます。
川原の橋を渡り,階段を少し登ると櫻茶屋に到着します。ここにはトイレと自動販売機があるので,摩耶山に登る前に少し休憩しておきましょう。
この区間は高度差約 250 m を下っていきます。
8. 市ヶ原〜摩耶山・掬星台:
市ヶ原から川沿いの林道っぽい道を上っていくと,やがて右折して摩耶山への登り口になります。
そこから階段状の道を登り,平らになった辺りでトゥエンティクロスとの分岐があります。分岐を右上に行くと摩耶山に向かいます。分岐からグッと高度があがります。
この先は急に高度を上げる歩きごたえのあるコースが続くので,ペースを上げ過ぎないように気をつけましょう。
トゥエンティクロスとの分岐からある程度頑張るとピーク状の場所があり,その先で布引ハーブ園への世継山分岐があります。
市ヶ原からここまでで高度差約 170 m 登っています。
縦走路は左下にしばし下っていくのですが,下り終わった先が稲妻坂の登りとなります。
稲妻坂は高度差 170 m を一気に登ります。
途中,2回斜度が緩くなる場所があります。
緩くなったからと安心するとまだ先があって精神的に凹むので,登りが緩くなったからと気を抜かないようにしましょう。
右に学校林道(旧摩耶道)への分岐があれば,そこが稲妻坂の終わりとなります。
その先は天狗道になります。
天狗道は前半は緩い尾根沿いの道ですが,途中高度差で 95 m 上って 30 m 下るピークがあり,その先に高度差約 20 m のピークがあります。
最初のピークは岩をよじ登ったりして,かなり険しい道になっています。
これらの上り下りを乗り越えると地蔵谷への分岐点にたどり着きます。
そこからのゴロゴロ坂という高度差 90 m の上り坂を登ると摩耶山山頂付近にある電波中継施設にたどり着きます。
そこからはアスファルト舗装の道を歩くと,掬星台という広場に到着します。
ここは摩耶山ロープウェーの山頂駅のそばになります。
トイレや自動販売機,ベンチも多数あり,六甲全山縦走路の休憩ポイントになります。
この地点で全長 45 km のうちの 25 km ほどを歩いたことになります。
この先は宝塚まで約 20 km が残っています。
9. 摩耶山・掬星台〜丁字ヶ辻:
摩耶山・掬星台からは多少道がラクになります。
それでもまだまだ登り下りがあるので,摩耶山登山で疲れた足にはかなりこたえます。
掬星台からは旧オテル・ド・摩耶の前を通り,摩耶山天上寺横を通ります。
そこからアゴニー坂で一気に高度差 85 m を下って車道にでます。
そこからしばらく車道沿いの歩道を歩きます。
車道に沿って,穂高湖,神戸市立自然の家前を通ると,右前に登山道の標識が見えてきます。
そこから階段が沢山ある登山道を歩いて三国池を目指します。
自然の家前から三国池までは高度差 120 m 上らないといけないので,かなりこたえます。
摩耶山までで登りが終わったと思っていると,すっごくめげます。気を抜かないようにしましょう。
頑張って登るとやがて車道に出ます。
その車道を渡り,少しだけ登ると三国池そばにでます。
そこからさらに少し登ると三国岩そばで車道にでます。
そこからはアスファルト舗装の車道を歩いて行くとやがて丁字ヶ辻に到着です。
神戸市主催の六甲全山縦走大会の時には,三国池下で車道に出たところから車道に沿って丁字ヶ辻に向かうコースが指定されています。
10. 丁字ヶ辻〜六甲ガーデンテラス:
丁字ヶ辻は表六甲ドライブウェイの終点です。
そこから山頂域の県道に沿って記念碑台を目指します。
途中にある藤原商店はお茶や水が安く買えるので,飲み物や食料を補給してもよいでしょう。
さらに進み,六甲山ホテルや郵便局を過ぎると,記念碑台前の交差点に着きます。
記念碑台は六甲山を開発した(?)グルーム氏の胸像があります。
記念碑台下の駐車場横にトイレがあります。
全山縦走路は,記念碑台前の交差点の少し東の緑色の舗装の道へ右折します。
そこは六甲山小学校前のために舗装が緑色になっています。
そこからは六甲山上のゴルフコースに向かい,ゴルフコースの間を歩いて六甲ガーデンテラスに向かいます。
ゴルフ場を過ぎてからみよし観音横を通ると,上の方に六甲ガーデンテラスが見えます。
最後に階段を登ると六甲ガーデンテラスに到着です。
11. 六甲ガーデンテラス〜六甲山頂(最高峰):
六甲ガーデンテラスには自動販売機とトイレがあります。
最高峰近くまでトイレがないので,必要ならここでトイレに寄っておきましょう。
ガーデンテラスから先では,電波中継施設に向かい,その直前で右に入り,電波中継施設の横を歩いて東に向かいます。
ちょっとした登りの後にある別の中継施設を過ぎると下りの階段があり,極楽茶屋跡で車道にでます。
極楽茶屋後にも自動販売機があります。もし飲み物が足りない時はここで買っておきましょう。
この先,縦走路は車道に沿うような形で東に向かいますが,車道を歩いてもよい,と六甲全山縦走の公式マップには書いてあります。
登山道形式の縦走路は車道から離れて少し登ってから下り,再び車道に出る,というのを7回繰り返します。
特に3番目と5番目はある程度登らされます。頑張りましょう。
逆に6番目と7番目はほとんど登らずに横に移動する感じです。ショートカットのためにもぜひ登山道を進みましょう。
7番目の区間の次に六甲山最高峰への長めの上り階段が見えてきます。
そこを頑張って登り,突き当たった林道を左に進むと六甲山最高峰にたどり着きます。
できればこの六甲最高峰に行っておきたいところですが,車道沿いにある一軒茶屋が標高 870 m ぐらいに対して最高地点が標高 931 m なので,60 m 上らないといけないことになります。
ここまで歩いてきた足にはかなりきついので,しんどい時には無理して最高地点を踏まず,車道に沿って一軒茶屋を目指してもいいでしょう。
12. 六甲山頂〜東六甲縦走路分岐:
六甲山頂から下ると一軒茶屋の向かい側に2022年にできたきれいなトイレがあります。
その先はゴールまでトイレがないので,ぜひ寄っておきたいところです。
一軒茶屋前から先は結構歩道のない車道を進みます。
特に鉢巻山トンネル付近はトンネル上部を通る登山道は廃道状態になっています。鉢巻山トンネル内の歩道を歩きましょう。
トンネル先右手に石宝殿への登りがあります,石宝殿は別の機会に行くことにして,宝塚への道を急ぎましょう。
鉢巻山トンネルからさらに車道を少し行くと,左手にNo.113 カーブの標識が見えます。
そこが東六甲縦走路との分岐点になり,その先は登山道で宝塚を目指します。
標識には宝塚まで 12 km とありますが,GPS による計測だと宝塚の宝来橋南詰まで約 10 km です。
13. 東六甲縦走路分岐〜船坂峠:
東六甲縦走路分岐から船坂峠までは,東六甲縦走路で一番険しい区間となっています。
急な下りと短い上りと尾根伝いの道が断続的に連なり,場所によっては足元がガレていたりして,疲れた足にはこたえる区間です。
全般に下り基調なので,なんとか踏ん張って下っていく感じの区間です。
船坂峠までは1時間かかりませんが(早い人は30分かからない)思った以上に距離がある上,あまり風景に変化が見られないので,延々と歩いてもなかなか船坂峠にたどり着かないなぁ,と感じます。
アスファルト道からの分岐の先にまずあるのが水無山です。
山頂は通らないのですが,山頂付近を通ります。
水無山山頂付近は27番標識が立ててあり,その前後はちょっとした登りとある程度急な下りがあります。
その先は尾根沿いを歩いたりしますが,2度ほど短い急な登りを登るとやがて斜面が崩れてすぐ左の巻き道を通るように指示された箇所に出ます。
その先は急な下りが2回続き,一気に船坂峠に向かって下っていきます。
下りが終わって29番の縦走路標識がある地点が船坂峠となります。
標高は 660 m ほどです。
ここから左の清水谷を経由して西宮市船坂に下る登山道が分岐しています。
14. 船坂峠〜塩尾寺(えんぺいじ):
船坂峠から先は基本的にのんびりと歩く感じの区間です。
多少の登りや急な下りもありますが,おおむね傾斜も緩く,元気ならハイキング気分で歩ける区間となっています。
時々ガレた場所もあるので,靴底が薄いと足裏が痛いかもしれません。
船坂峠から緩い上り坂や,少々の登りを数個越えると,やがて右前に大阪平野が見える場所があります。
以前は木があったのですが,2022年現在では伐採されて甲山や阪神競馬場などが見えます。
その先少し下り,一瞬登るなぁ,と思ったら大平山の舗装林道にでます。
舗装林道をしばし下ると,右折して再び登山道区間に入ります。
この先の登山道区間も言うほど険しくありませんが,大谷乗越の県道に出るまでは結構ガレた路面が続きます。
さらに大谷乗越の直前に急な下りの階段があります。前半の道だとよくある感じの箇所ですが,のんびりした大平山前後の道を歩いた後にはすごく急に感じる下りです。気をつけて下りましょう。
大谷乗越で県道を渡ると縦走路最後の登山道区間に入ります。
県道の先は,岩原山,譲葉山,岩倉山などを歩きます。
この区間は特に急な箇所はなく,ひたすら距離を稼ぐ感じとなり,いよいよ終わりが近づいてきた感じがします。
ゆずり葉台への分岐を過ぎ,岩倉山付近で送電線の鉄塔の近くを歩きます。
明るい時間帯ならその付近は林が切れて明るい登山道区間となっています。
真っ暗だと送電線の鉄塔は見えないかもしれません。
岩倉山から塩尾寺まではもうひと息です,頑張りましょう。
途中,鳥居が見える場所があり,そこから塩尾寺までは一気に高度差 80 m を下ります。
下りの最後にきれいな階段状に整備された箇所にくれば,もう塩尾寺はすぐです。
15. 塩尾寺〜宝塚:
塩尾寺からは車道を下って行きます。
塩尾寺はまだ標高 350 m あり,かなりの急勾配の車道で下っていきます。
アスファルトの下りなので,登山道の下りとは別のしんどさがありますが,それでも疲れた足には単調に歩ける車道は意外とありがたく感じます。
しかし,階段状ではなくダラダラと下る斜面なので,人によっては逆にしんどく感じる区間です。
途中,階段でショートカットできますが,長い距離を歩いてきた足にはダラダラと下る方がラクかもしれません(個人の感想です)。
好きな方を下るのがいいでしょう。
甲子園大学のそばを過ぎると小さな川沿いに出ます。
そこで左折して川沿いに下っていきます。ここはまだそれなりに急な感じのする下りですが,下って行くと徐々に傾斜が緩やかになり,やがて宝来橋南詰に出ます。
宝来橋南詰に来ると急に都会に出た感じがします。
神戸市主催の六甲全山縦走大会ではこの付近の湯本台広場がゴールです。
宝来橋南詰そばのモダンなコンクリートの建物が日帰り入浴できる温泉施設(ナチュールスパ宝塚)です。
汗を流せて温泉につかれるので,是非ここをゴールにしましょう。
宝来橋南詰にコンピニがあるので,温泉の後に祝杯用のアルコールを買ってもいいでしょう(コンビニはなくなりました)。
最終的に宝来橋を渡り阪急宝塚駅に到着して六甲全山縦走の終わりとなります。