栂尾山の階段は,遅くてもいいからできるだけ止まらないで行こうと考えた。
結果的になんとか止まらずに登れた。もしかして調子いいのかな?と思った。
しかし,きっとあそこで止まらずに登ったのが,後々で効いてきたような気がする…。
階段では多くの人に抜かしてもらったが,何人も途中で疲れて休憩していた。
やっぱりあの階段は長い,ということみたい。
普段は1〜2回休憩するのがいいように思った。
栂尾山から横尾山かけては黙々と歩き,横尾山の山頂で休憩をしている一団を横目にさっさと通過して,須磨アルプスを目指した。
須磨アルプス手前の鎖場もちゃちゃっとこなし,須磨アルプスもできるだけ早く通過した。
しかし,その先の東山への登りですでに足に疲れを感じ始めた…。疲れるのが早すぎないか?
妙法寺交差点で,信号にひっかかり1分ほど休憩になった。
そこから高取山までは,まあまあ足はだるかったが,これまた止まらずに着実に前に進んだ。
意外に行けるやん,と思ったが,足に疲労も感じていた。このペースで行けるのか?宝塚まで。
高取山の月見茶屋ではバナナに目もくれずに先を進んだ。
安井茶屋横の公園ではトイレに寄っておいた。
他には誰もいなかったのだが,みんなトイレには行かなくてよかったのだろうか…?
丸山の市街地もそこそこのスピードで抜け,鵯越駅前に着いたのは 7:40 だった。
いつも3時間を切れるかどうか,と思っているのだが,2時間40分で着いてしまった。
そうなると,菊水山のチェックポイントが開く8:30より前に菊水山に登れるかも,と思った。
そこで,菊水山も遅くてもいいから止まらない作戦で行くことにした。
菊水山の急登区間の登り口に着いたのは 8:08 だった。
20分ほどで登れれば 8:30 前に着けるが,ここで無理すると直後の菊水山の下り,鍋蓋山の登りで大変なことになるので,無理はしないようにした。
8:30 を少しぐらい過ぎても問題ないし…。
大抵,この区間は早くて20分ちょっと,遅い時は30分以上かかっているので,時間としてはぎりぎりの感じだった。
とにかくゆっくりでいいから止まらずに,だけを心がけて登った。
上の方でいつも写真を撮る黒い樹脂階段の踊り場でも止まらずに登った。
そして,ほぼ8:30頃に菊水山山頂に着いた。
そこで,さぁ,チェックしてもらおうと思ったら,ちょっと待ってくださいね〜,と言われてしまった。
なんと,8:30 の30秒ぐらい前に着いたみたいだった。
腕時計の時間が少し進んでいたみたい。
また,よく見ると先に進んだ人達が10人程度待っていた。
しかし,まさか菊水山でチェックポイントが開く前に着けるとは思っていなかったので,驚いてしまった。
すぐに菊水山のチェックポイントが開いたので,チェックしてもらって下山を始めた。
下りは得意なので,できるだけ早く下ろうと思って下った。
高取山の登りで余裕で置いて行かれた登りが早いお二人に追いついた。
お二人は下りが不得意ということだったので,お願いして抜かさせてもらった。
しかし,鍋蓋山の登りですぐに順番は入れ替わったが…。
天王吊橋まではいい感じだった。
問題はそこから先の鍋蓋山の上りだった。
毎回,鍋蓋山の登りはしんどい。
今回は,それまでの登りと同じように,ゆっくりだけど止まらない,を心がけて登り始めた。
いつもに比べると,足はだるいけどちゃんと持ち上がってるなぁ,と思っていたら,その感覚が急にきた。
そう,足がつりそうになった。
最初は左足のふくらはぎだった。
一瞬止まってつった感覚が収まるのを待って歩みを進めると,今度は右足にきた。
ふくらはぎがましなった,と思ったら,次には太ももの内側の筋肉がつりそうになった。
電解質と水分が足りないと思って,アクエリアスをがぶがぶ飲んだが,それもあまり効果はなかった。
そこらじゅうがつりそうな感じになったので,たまたまどっかのマラソンの前日イベントでもらったつった時用の薬を飲んだ。
するとかなりマシにはなったが,それでも完全には収まらず,茶色鉄塔の上の岩をよじ登った先で,左足の足首付近がつってしまった…。
そんな経験は初めてだったので,おろおろするばかりだった。
どうやら,いつもならしんどいからと思って止まってしまうところを止まらずに歩くことで,筋肉の疲労が取れずに足が悲鳴を上げているみたいだった。
疲れで止まらずに,生理的な状況で止まらないといけない,というのは,ある意味進歩してるということかもしれない。
足首のつりもすぐにましになったので,とりあえずほんの少しペースを落として先に進んだ。
どうも,足を高く上げて踏ん張るとやばい感じだったので,極力一歩一歩の高さが高くならないように歩いた。
鍋蓋山から市ヶ原までは下り基調なのだが,ちょこちょこ上りがある。
その登りが辛かったなぁ…。縦走路を歩き始めた頃もあのちょっとしたアップダウンがしんどかったが,今回はいつ足が攣るかとびくびくしながら歩いた。
なんとか大龍寺の駐車場までたどり着いたので,アクエリアスを補充しておいた。
今回は,水 1L とアクエリアス 2.5L を持って出発した。
その時点で普通の人の2倍ぐらい持っているのだが,アクエリアスは残り 0.5L+α になっていた。
そこで,2本買って,合計3本(1.5L)で摩耶山を登ることにした。
その時に,一般の登山者から「あんた縦走者で一番荷物多いなぁ」と言われてしまった。
そういえばゴールでも言われてしまった。
でも,レインウェア,ダウンジャケット,登山中用の着替え,縦走後のお風呂での着替え,などを持つとそれぐらいになるのだが,なんでみんなあんなに軽装で歩けるんやろ?
大龍寺から市ヶ原はアスファルトなので,少し速めのスピードで下った。
市ヶ原の櫻茶屋でフランクフルトを食べたいと思っていたが,櫻茶屋前を通過したのは9時半すぎで,まだ櫻茶屋は開いてなかった。残念…。
また,トイレもそこまで切羽詰ってなかったので,パスして先に進んだ。
ちなみに,市ヶ原のトイレの写真があるが,あくまで出発時刻を記録するために撮っている。
市ヶ原から先も足がつるのとの戦いだった。
ちょっと下りが続いた後の登りで,ぐいっと足をあげようとすると,ぴくっとくる,というのの連続だった。
ここでもゆっくりでいいから止まらない,で前に進んだのだが,それでも太ももの内側が両方とも何度かつった。
しかし,よくあるふくらはぎのつりほど痛くはなかったので,そのうち,少しぐらいつってても気にしない作戦で登ることにした。
それで登れることに自分自身で不思議に思いながら登った。
そんな状況だから,どんだけ時間がかかるか,と思ったが,市ヶ原から1時間13分で登れた。
思ったよりも早かった。
やはり,ゆっくりでもいいから止まらない作戦は有効だった。
摩耶山掬星台に着いたのは 10:49 だった。
なんと,5時間49分でたどり着けた。
6時間かからないって,なんか異次元にたどり着いた感じがした(もっと早い人達も大勢いるが…)。
掬星台のチェックポイントが開く12時まで時間があったので,トイレにいき,写真を撮り,おにぎりを食べておいた。
そこで同じぐらいで歩いていた T 氏(ゴール後に一緒に御飯を食べた)と話をすると,整体師の人達が整体のサービスをしてくれている,というので,マッサージをお願いしてみた。
下半身全般に疲労してるとして揉んでもらったが,そこら中の筋肉で痛みがあった。
どちらかというと左足の方が疲れてると言われた。
右足はよく膝が痛くなるので,右足をかばって左足に負担をかけて登っているみたい。
やってもらって少し楽になったが,それでなくなるような疲労ではなかった…。
12時ちょっと前に出発準備をし,12時のチェックポイントオープンと同時に出発した。
アゴニー坂の下りで数人を抜かしたけど,その先のロードや三国池下への登りで抜かされた。
しかし,三国池下への登りは,自分ではいつもの感覚よりいい感じで登れたので,やはりそれなりに進歩しているみたいだった。
三国池下からは山上のロード沿いに歩いた。途中,郵便局の甘酒があるが,最初は時間を優先してパスしようと思っていた。
しかし,足のために栄養がありそうなものを体に入れる方がいいかも,と思って,郵便局に寄って甘酒を頂いた。
暖かくで美味しかった。やっぱり甘酒は外せないと思った。
その先は,ひたすらが頑張って歩いた。
ストックをフルに使って,かなりの早歩きで進んだ。
みよし観音の先のガーデンテラスへの登りや,ガーデンテラスの後のアンテナ施設への登りをなんとか乗り越えて,一軒茶屋前のチェックポイントまではほとんどロードを歩いた。
そこでは何人かの参加者を抜かせるぐらいのスピードで歩けた。
そうなると欲が出てきて,一軒茶屋のチェックポイントの開く14時(と思っていた)までに着こうと思いはじめて頑張った。
一軒茶屋のチェックポイントに着いたのは 13:48 だった。
これで10分休める〜と思ったら,実は一軒茶屋のチェックポイントが開くのは 13:50 だった…。
なんと,ほとんど休憩なしだった…。まぁ,普段は休憩ないからええねんけど…。
それでも一応菊水山,掬星台,一軒茶屋と全部のチェックポイントで関門にひっかかったのは私としては画期的なことだった。
そこからもロードを頑張り,前にあまり人がいない状態で東六甲縦走路に入ることができた。
東六甲縦走路は下り基調なので,私の得意とするところになっている。
しかし,最初の急な下りでまた足にきた。
下りではふくらはぎの辺りがつりそうになった。
前の人達について行こうと思っていたが,少しだけペースを落として行くことにした。
それでも,水無山の先や,船坂峠への下りではまあまあのペースで下って前に進んだ。
下りでがんばらないと登りのペースがすごく遅いので…。
大平山の手前で T 氏と一緒になったが,T 氏は疲れたので少しペースを落とす,ということだった。
私はがんばれば16時前に着けるという思いで頑張ってみた。
大谷乗越を通過したのは 14:50 だった。
そこからならがんばれば1時間で宝来橋南詰まで行けるので,なんとかなる,と思った。
しかし,なにせ足がつるかも,というのがあったので,行けそうなところは最速で歩いておいた。
これまでにないペースだった。
おかげで,15:22 に塩尾寺にたどり着いた。
そこからも頑張って頑張って宝来橋南詰を目指した。
最終的に宝来橋南詰には 15:41 に着いた。
画期的だった。
なんと出発から 10時間41分で着いたことになる。
途中,止まっていた時間を単純に引くと,歩行時間は 9時間27分 だった。
これは私にするとすごいことだった。
しかし,疲労もすごかった。ここまで筋肉痛になるか,というぐらい足は筋肉痛だった。
でも,充実感いっぱいだった。
最終区間を下っている途中にいいことを思いついた。
ゴールの受付は 16:30 にならないと始まらないので,先にナチュールスパ宝塚で汗を流せる,と気づいた。
そこで,ゴールしてザックを置いてから,ささっとナチュールスパ宝塚に行った。
すぐ後ろでゴールした I 氏(彼とも後で一緒にご飯を食べた)と連れ立ってナチュールスパ宝塚に行った。
ナチュールスパ宝塚はまだ縦走完走者がほとんどいないので混み具合はましだった。
さっさとナチュールスパ宝塚に行って正解だった。いやぁ,気持ちよかったなぁ…。
戻ってくると 16:10 ぐらいだった。
すぐに受け付け時間になったので,受付して,記念の盾をもらった。
その後,途中で一緒に歩いた T氏と I氏に声をかけてご飯を一緒に食べた。
午後5時から魚民を予約した。電話をしたのが16時半過ぎだったので,少しだけ時間を潰してから魚民でご飯を食べた。
T氏は後で車を運転するというのでノンアルコールビールを飲まれた。
I氏と私はプレミアム・モルツを飲んだ。美味しかった〜。
そこに19時頃までいて,早めに解散となった。
I 氏は寝かかってたし…。
その後,一人でゴール地点を見に行ってみた。
誰か知ってる人が居ないかなぁ?と思って。
でも,やっぱり誰も居なかった。
そこでしばらく居てもいいかな?と思っていたが,結構涼しくなってきたので,さっさと帰ることにして,宝塚駅に向かった。
今回は,これまでにない時間にゴールできた。
それなりに充実感はあるが,筋肉等へのダメージもまあまああった。
さすがにこれ以上を望むのはやりすぎかもしれないので,今後どうするかは思案中である。
少なくともボランティアでは参加したいと思っている。
Il nono uomo.