高取山を登る頃には一緒に歩いた友人に疲れが見え始めた。ま,普通あの辺りで疲れが出てくるよね。
荒熊神社下まで登りきった時には友人はかなりホッとしていたような気がする。
安井茶屋横の公園でトイレ休憩し,飲み物を入れ替えたりしてから先に進んだ。
丸山の市街地区間ではのんびりと歩き,いろいろと雑談をしながら歩いた。
鵯越駅手前の道路をくぐったところで友人はアクエリアスを買った。
鵯越駅に着いたのは出発から3時間半ほどだった午前9時過ぎだった。
その時間だと12時間での完走は微妙だが,13時間ぐらいではいけそうな感じの通過時刻だった。
鵯越駅から先はまずはほぼ水平移動だが,一度タンクがあるところを左から巻いて短い登山道(階段やけど)を下る場所がある。
そこを下りきったところで友人が「右膝が痛い」と言い出した。どうも右膝の外側(横側)が痛いようだった。
それはずっと前から痛めてるらしい,ある種「古傷」みたいだった。
しかし,上り坂だと全然気にならない,ということだったので,とりあえず先に進んでみた。
でも,下手するとその辺りでリタイアもあり得るなぁ,という感じだった。
その先,菊水山まではほぼ上りなので,菊水山の山頂で先に進むかどうかを考えよう,ということにして菊水山に登った。
足を気にしながら気持ちゆっくりめのペースで登ったが,急登区間の入り口から山頂まで 26 分で登った。そんなに遅くはなかった。まぁ,ほぼ止まらなかったしね。
鵯越駅から菊水山山頂までほぼ1時間だったし,いい感じのペースに感じた。
菊水山の急登区間の途中で,友人はどうも右膝が X 脚気味で膝が内側に折れ曲がっていて膝が痛くなってるかも,と言い出した。
後ろから見るとたしかに右膝が内側に入っているように見えた。足のつき方によっては膝に痛みが出るみたいだった。
膝の痛みの原因らしきことがわかったので,もう少し先に進んでみてから継続か中断かの判断をすることにし,友人は菊水山山頂でロキソニンを飲んでいた。
菊水山の下りはかなりゆっくりと下った。友人は下りが不得意,というのもあるが,右膝を気にしながらの下りだったのでかなり慎重に下ったというのが大きい。
今回は菊水山山頂から天王吊橋まで 32 分かかった。一週間前は 15 分だったのでほぼ倍の時間をかけて下ったことになる。
しかし,その先の鍋蓋山の上りは順調で,天王吊橋から 29 分で山頂に着いた。
友人は膝の痛みの影響は感じられない時間だった。途中,疲れで止まることもなかったし,上りが得意というのはうなずけた。
その先はロキソニンで痛みがなくなったらしく,鍋蓋山から市ヶ原までは 42 分だった。
途中,大龍寺の駐車場にある自動販売機で私のアクエリアスを追加しておいた。
市ヶ原にはトイレがあるので,友人の右膝の補助になるように私の持っていたテーピングテープを貼るように伝えた。
今回は膝が横に折れ曲がらないように,膝の両側に縦に貼らせてみた。どの程度効果があったのかはわからないが,多少は役に立ったんじゃないだろうか?
市ヶ原でも母校の山岳部の集団に出会った。その集団は我々とあまり変わらないペースのグループみたいだった。
そこでも生物の先生のことを持ち出して信用してもらった。彼らには稲妻坂の登りで抜かされたが,摩耶山で座り込んでいたように思う。最後までいけたのかな??
市ヶ原から摩耶山までは,友人は膝の痛みは問題ないようだった。しかし,というかやはりというか,かなり疲れているようだった。
まぁ,普通はあの辺りが一番しんどいからねぇ…。
で,市ヶ原から摩耶山まで1時間19分だった。途中,下り区間もありそこではかなり慎重に歩いたことを考えるとまずまずのペースで登れたと思う。
摩耶山掬星台ではトイレ休憩はせず,飲み物の補充をしてから先に進んだ。
その先,アゴニー坂の下りは友人の膝には辛いと思ったので,神戸市立自然の家前までは車道沿いを行くことにした。
そこでもうだうだと雑談をしながら歩いた。その区間では友人の膝は問題なく歩けたらしい。
自然の家前から三国池下までは上り区間があるが,そこもまずまずのペースで登れたと思う。上りが得意というのは伊達じゃないねぇ。
三国池下から六甲ガーデンテラスまでも車道沿いを行くが,結構淡々といいペースで歩けたと思う。
途中,私が写真を撮るために立ち止まっている間に友人はかなり先に進んでいたしね。
友人は前回の全山縦走チャレンジの際に藤原商店の肉まんで生き返った,という話をしていたので,今回も肉まんを食べるか聞いてみたが,肉まんを食べるとホッとしてモチベーションが下がってしまう気がする,というのでなしにしておいた。
六甲ガーデンテラスに着いたのは午後3時過ぎだった。順調なペースだった。
その先もできるだけ友人の膝に負担をかけないように,極力車道沿いを歩いた。
特に六甲ガーデンテラスの出口では,有馬へのロープウェー乗り場の前を通って車道沿いに出るショートカットを歩いてラクしておいた。
一軒茶屋に着いたのは午後4時前だった。その時間ならなんとか暗くなる前に船坂峠までいけそうだったので,余裕で宝塚までいけると思えた。
一軒茶屋の向かいに新しくできたトイレに寄り,ヘッドライトを出すなど身支度を整えてから先に進んだ。
東六甲縦走路に入ったのは午後4時過ぎだった。
登山道を下り始めると,友人の膝がまた痛みだしてしまった。どうやらロキソニン効果が切れたみたい。
前にロキソニンを飲んだのは菊水山山頂で午前10時やったから,効果が切れてもおかしくなかった。
そこで再び薬を飲んだが,薬が効き始めた船坂峠辺りまでは下りはかなりゆっくりと進んだ。
膝が痛い時にあの下りは厳しかったと思う。船坂峠まではきつい下りも多いしね。そんなこんなで東六甲縦走路に入ってから船坂峠まで 47 分だった。
途中で,できるだけ膝への負担を減らせるように,友人のザックを私が背負って歩いた。
船坂峠を越えるときつい下りがなくなり,むしろ少し登るので友人のペースが上がった。
その時はまだ私が友人のザックを背負っていたし,薬が効きだして膝の痛みもとれたみたいで,空身でガンガン進んで行った。
こちらは荷物2個を持っていたので,徐々についていくのがしんどくなってきた。それぐらいガンガン歩いていた。
そこで船坂峠から大平山の区間の真ん中辺りでザックを返しておいた。
また,ザックを返した辺りでかなり暗く感じたので,ヘッドライトを装着して先に進んだ。
大平山の林道(中継アンテナの管理道?)はアスファルト舗装で友人の膝にはいい「休憩」になった。
ただ,そこから大谷乗越までの区間は膝には厳しかった。あの区間は大きめの石とかごろごろ落ちてるからねぇ。
さらに大谷乗越への下りはめちゃ急で危険やし。そのためその区間は慎重に歩くように指示を出しておいた。
そしてなんだかんだで午後5時半頃に大谷乗越を通過した。
午後5時半に大谷乗越なら宝塚に着くのはそんなに遅くはならない,と思えた。
大谷乗越の先はアップダウン少ないし。ということで,その区間もガンガン歩いた。
いつものことながらヘッドライトの明かりでガンガン歩くと感覚がおかしくなるよなぁ…。
ただ,数ヶ所ある下り,特に最後の塩尾寺までの下りは膝に危険なので慎重に下った。
そして,出発から12時間50分後の午後6時半前に無事塩尾寺に到着した。
しかし,その先もいつものように苦行だった。あの舗装路の下りはほんとしんどい。
でも,うだうだと話をしながら気を紛らわせて下り,午後7時前に宝塚,宝来橋南詰に到着した。
歩行時間は13時間半弱であり,膝の痛みがあったことを考えるといいペースで歩けたと思う。
特に最後の方の船坂峠からは結構なペースで下れたので,膝の痛みがなければ12時間も夢じゃない,と思えた。
ゴール後はナチュールスパ宝塚で汗を流し,魚民で反省会をしてから帰った。
帰りの電車では寝落ちしたみたいで気づくと終点だった。危なく逆戻りするところだった。あぶないあぶない。
今回は,個人的には1週間前の9時間半に比べて4時間長くかかったが,それでもしんどさは変わらなかった。
むしろいつもよりしんどかったかもしれない。やっぱり宝塚は遠いねぇ…。