特に気にしたのが
OpenLog にノート型コンピュータからアクセスできるようにしておいた点である。
OpenLog をハンダ付けしてしまうと,そう簡単には取り外したりできない。
しかし,
OpenLog 自体は結構便利そうだし,firmware の更新をしたくなるかもしれない。
そこで,
OpenLog とノート型コンピュータをつなげるようにしたい,と思った。
OpenLog にノート型コンピュータからアクセスできるようにするには,まずは
Power Cell からの電源供給を切った方がいい。
そのために (5) にあるようにジャンパー線で電源ラインを切れるようにしておいた。
また,
GNSS ユニットと電源+microSD 部をつなぐコネクタとして,
Adafruit 社の
Ultimate GPS unit
にならって 8 ピンのものを用意したのだが,それとは別に 6 ピンのものも用意しておいた。
そもそもは 8 ピンのコネクタだけだと上部の基板が斜めになっていまいちだったので,2箇所で支えが方がいいと思ったからなのだが,
折角使えそうなコネクタがあるなら,そこをコンピュータと
OpenLog の接続用に使えばいいやん,と思い立ったのだった。
まぁ,ブレッドボードがあれば
GNSS ユニットと電源+microSD 部をつなぐ 8 ピンのコネクタだけでもいいのだが…。
GNSS 部は
簡易 GNSS ロガーの1号機と基本的に同じ回路にした。
電源ラインにフェライトビーズとコンデンサでフィルター回路を入れ,Tx と Rx のラインに 330 Ωの抵抗を直列に入れておいた。
また,non-FIX に光る LED をセットした。
今回はふと思い立って緑色にしてみた。消費電力増えるかなぁ?
ま,LED は衛星を捕捉するまでしか光らないので,あまり消費電力には寄与しないはず。
また念のために
PPS のラインをコネクタにつなげておいた。
電源+microSD 部も1号機と同じである。
電源部の
Power Cell の出力電圧を 5 V → 3.3 V と変更し,
Power Cell をオフに出来るスライドスイッチをつけておいた。
OpenLog はつないだだけである。
使ってみて:
今回は
Gms-g9 を起動すると,
Gms-g9 の
3D-FIX 端子に付けた緑色 LED が1秒ごとに明滅する。
これは衛星の捕捉ができるまで光っていて,捕捉ができると消灯する。
後は放置すればいいのだが,アンテナができるだけオープンスペースを向くように保持するのがコツといえばコツかもしれない。
消費電力:
前回同様,
LiPo 電池での駆動時間について調べてみた。
・
850 mAh の
LiPo 電池の場合の持続時間
1回目:63525 sec (17:38:45) → I = 850/63525*3600 =
48.2 mA
・
1000 mAh の
LiPo 電池の場合の持続時間
1回目:70397 sec (19:33:17) → I = 1000/70397*3600 =
51.1 mA
なんと約
50 mA も消費している。
これは
Gms-g9 1号機の
42 mA と比べるとあまりに消費電力が大きすぎる。
そこで気になったのがハンダ付けのヤニ。
SENA というメーカーのインターコム
SMH-10 での電源トラブルで半田のヤニが端子をブリッジしていたのを思い出した,というのがその理由。
SMH-10 の時は10時間以上余裕でもつはずの
LiPo 電池が1時間ほどでカラになってしまう,という症状だった。
そこで,今回のユニットの回路を見なおして,要所要所のヤニを削りとった。
特に GNSS ユニットの VCC と GND 間のバイパスコンデンサについてるヤニを丹念に削ってみた。
VCC と GND の間を直結しているので,影響が大きいと思ったからの判断だった。
その結果は以下のようになった。
・
850 mAh の
LiPo 電池の場合の持続時間
2回目:76263 sec (21:11:03) → I = 850/76263*3600 =
40.1 mA
・
1000 mAh の
LiPo 電池の場合の持続時間
2回目:91271 sec (25:21:11) → I = 1000/91271*3600 =
39.4 mA
結果としては約
40 mA という結果になった。
Gms-g9 1号機は
41 mA 程度の消費電流なので,
Gms-g9 と OpenLog, Power Cell を使ったシステムは
約 40 mA を消費する,ということができる。
これは
MediaTek 社の
MT3339 チップを使った
GPS ロガーと比べると
5 mA 程度多くなっている。
この測定の時に気になることがあった。
実は 850 mAh の
LiPo 電池を使った際,午後9時15分頃にスイッチを入れたのだが,データとして記録され始めたのは 23:34:34 だった。
なんと GNSS 衛星の捕捉に2時間20分もかかったみたい…。
それっておかしくないかぁ????
衛星を捕捉するまでは窓際においておいて,一旦捕捉したら部屋の中央付近に移動させたが,最後まで衛星を捕捉し続けていたみたい。
どうも最初に捕捉するまでに時間がかかっている…。
そこで,もう一度 1000 mAh の
LiPo 電池を使って再挑戦してみた。
Gms-g9 2号機はバックアップ用のボタン電池をユニットの裏につけている。
つまり,前回の情報を記憶しているはず,という思いもあった。
そこで,念のために開始時刻を記録して始めてみた。
すると,スイッチを入れて1分ほどでログを取り始めた。
やはり素早い衛星の捕捉にはバックアップ電池は重要だということがよくわかった。
その点では
Gms-g9 1号機は GNSS ユニット自体にはバックアップ用の電池をつけていないので,イマイチということになる。
Gms-g9 2号機で十分となれば,1号機は解体して Microcontroller と組み合わせて使うシステムに変えようかな?と思っている。
今後,さらに使い込んで,
Adafruit社製の
Ultimete GPS unit や
Transystem 社製の
TripMate850,
Garmin 社製のナビ
nüvi 3770v と比較してみたいと思っている。
GlobalTop 社製 Gms-g9 使用 GNSS ロガー 2号機の改造に続く